trustee(トラスティー)の意味とは?家族信託の英語用語と受託者の役割をやさしく解説

家族信託について調べていると、英語の資料や金融機関の説明のなかで「trustee」という単語に出会うことがあります。結論からいえば、trustee(トラスティー)とは日本語の「受託者」、つまり財産を預かって管理・処分する人のことです。この記事では、trusteeの意味を出発点に、家族信託でよく出てくる英語用語と日本の制度での呼び名・役割を整理します。
trusteeの意味は「受託者」──財産を預かって管理する人
trustは「信託」、trusteeはその信託で財産を託される側を指します。家族信託でいえば、親(財産の持ち主)から自宅や預貯金を預かり、名義人として管理していく子などがtrustee=受託者にあたります。
ここで大切なのは、受託者は財産を「もらう」わけではないという点です。名義は受託者に移りますが、その財産から利益を受け取るのは受益者(多くの場合は親本人)です。受託者はあくまで他人のために財産を管理する立場であり、自分のために自由に使うことはできません。
なお、英語のtrusteeは信託以外の場面でも使われ、破産手続の管財人や、学校法人・財団の理事を指すこともあります。家族信託の文脈で出てきたときは「受託者」と読み替えて差し支えありません。
家族信託で出てくる英語用語と日本語の対応
trusteeとあわせて覚えておくと、海外の解説記事や金融機関の英文資料も読み解きやすくなります。
- settlor / trustor(委託者)…財産を託す人。もともとの持ち主で、家族信託では親であることが多い立場です。
- trustee(受託者)…財産を預かり、契約の定めに従って管理・処分する人。実際に動く役割を担います。
- beneficiary(受益者)…信託財産から利益(賃料や生活費など)を受け取る人。家族信託では委託者本人が兼ねるのが一般的です。
- trust deed / trust agreement(信託契約書)…誰の財産を、誰に、どう管理してもらうかを定めた契約書。日本では公正証書で作成するのが一般的です。
- fiduciary duty(受託者の義務)…受益者の利益のために忠実かつ慎重に管理する義務。日本の信託法でも、忠実義務・分別管理義務・帳簿の作成義務などが定められています。
英語のtrusteeと日本の家族信託の受託者は同じ?
基本的な考え方は共通していますが、細かい部分は国の制度によって異なります。英米の信託は長い歴史のなかで発達した仕組みで、専門の信託会社がtrusteeを務めることも珍しくありません。
これに対して日本の家族信託は、2007年の信託法改正を受けて広まった比較的新しい使い方で、信託会社ではなく家族(子など)が受託者になるのが大きな特徴です。だからこそ「家族」信託と呼ばれます。
受託者になる人には、信託口口座の管理、信託財産と自分の財産を分けて管理すること、収支の記録を残すことなど、地道な事務が長期間続きます。英語のtrusteeが専門家であることが多いのに対し、日本の家族信託ではふつうの家族がその役割を担う点を、始める前に家族全員で理解しておくことが大切です。
受託者を決めるときに確認しておきたいこと
trusteeの意味がわかったら、次は「誰が受託者になるか」という現実的な検討に進みます。次のような点を家族で話し合っておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。
- 財産の管理を長期間、誠実に続けられる人か(信託は10年以上続くことも珍しくありません)
- 委託者より若く、健康面で長く役割を果たせる見込みがあるか
- 他の相続人が納得しているか(説明がないまま名義が移ると不信感の原因になります)
- 受託者が先に亡くなった場合に備えて、次の受託者(後継受託者)を契約書に定めているか
- 必要に応じて信託監督人など、受託者をチェックする仕組みを置くか
まとめ
trustee(トラスティー)は日本語でいう「受託者」であり、家族信託では財産を預かって管理する家族がこの役割を担います。settlor(委託者)、beneficiary(受益者)とあわせて三者の関係をつかんでおくと、契約書や金融機関の説明もぐっと理解しやすくなります。
用語の意味を押さえたうえで、「誰を受託者にするか」「どこまでの権限を与えるか」を家族で丁寧に話し合うことが、安心して続けられる家族信託の第一歩です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事情に応じた判断は専門家へのご相談をおすすめします。相続・家族信託に関するご相談は、この街の相続(弁護士・司法書士 西田幸広)までお気軽にお問い合わせください。
