熊本市東区で相続財産調査をするには?預貯金・不動産・借金の調べ方と期限

ご家族が亡くなられた後、「どこに何があるのか分からない」というご相談は熊本市東区でも本当に多くいただきます。相続財産調査とは、亡くなった方(被相続人)のプラスの財産とマイナスの財産をすべて洗い出す作業です。結論から申し上げると、預貯金は金融機関への残高証明書の請求、不動産は区役所の税務窓口で取れる「名寄帳(なよせちょう)」と登記事項証明書、借金は信用情報機関への開示請求で調べるのが基本の流れになります。まずはこの3方向から手をつけてください。
なぜ相続財産調査を先にすべきなのか
調査を後回しにすると、判断のための材料がないまま期限だけが過ぎてしまいます。相続放棄や限定承認は、自分が相続人になったことを知った時から原則3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があり、相続税の申告も原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内が目安です。財産の全体像がわからないと、放棄すべきかどうかも、遺産をどう分けるかも決められません。
また、遺産分割協議が終わった後で知らない借金や別の口座が出てくると、協議のやり直しになりかねません。四十九日が済んだ頃を目安に動き出しておくと、気持ちの面でも手続きの面でも余裕が生まれます。
財産別・具体的な調べ方
預貯金は、ご自宅に残る通帳・キャッシュカード・金融機関からの郵便物を手がかりに取引先を特定し、各金融機関へ残高証明書を請求します。同じ銀行の他支店の口座をまとめて確認できる「全店照会」に応じてくれる金融機関もあります。ネット銀行はスマートフォンのアプリやメールの履歴が手がかりになります。
不動産は、毎年春に届く固定資産税の納税通知書がまず有力な手がかりです。ただし非課税の土地(私道など)は通知書に載らないことがあるため、市区町村の税務窓口で名寄帳を取得し、その市区町村内にある物件を一覧で確認するのが確実です。熊本市の場合は東区役所などの税務窓口が申請先です。名寄帳はその市区町村内の分しか出ないため、八代市など複数の市町村に不動産があった方はそれぞれの役所へ請求します。物件が特定できたら、法務局で登記事項証明書を取得し、名義や抵当権の有無を確認します(登記事項証明書は全国どこの法務局窓口でも取得できます)。
株式・投資信託は、証券会社からの取引報告書や配当の通知が手がかりです。取引先に心当たりがない場合は、証券保管振替機構(ほふり)へ登録情報の開示を請求する方法があります。
借金・負債は、督促状や契約書類の確認に加え、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3機関へ開示請求をします。事業をされていた方の場合、他人の借入れの保証人になっている「保証債務」が信用情報に表れないこともありますので、契約書類の確認もあわせて行ってください。
調査に必要な書類と、熊本での進め方
金融機関や役所へ請求する際は、被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)、住民票の除票、請求する相続人自身の戸籍と印鑑証明書、本人確認書類を求められるのが一般的です。この戸籍集めが最初の関門で、被相続人が転籍をくり返していると各地の役所への郵送請求が必要になり、それだけで1か月前後かかることもあります。最寄りの市区町村の窓口でまとめて請求できる制度も始まっていますので、東区役所などで利用できるか確認してみてください。集めた情報は「財産目録」の形にまとめると、放棄すべきか、どう分けるかの判断がしやすくなります。
自分で調べるか、専門家に頼むかの目安
取引先の金融機関が1〜2行で、不動産もご自宅だけという場合は、ご自身でも十分に進められます。実費は戸籍や証明書の手数料が中心で、数千円から2万円程度に収まることが多いでしょう。一方で、金融機関や不動産が複数にわたる、遠方の財産がある、借金の有無に不安がある、相続人同士で意見が割れている、といった場合は専門家に依頼したほうが結果的に早く安全です。専門家に依頼する場合の費用は、財産の数や難易度によって幅がありますので、着手前に見積りを確認されることをおすすめします。
この街の相続では、弁護士と司法書士の両方の資格を持つ西田幸広が対応しますので、財産調査から不動産の相続登記までを一つの窓口で進められます。話し合いがまとまらなくなった場合も、そのまま代理人として交渉・調停に移行できるのが強みです。相続税が関係しそうな場合は、具体的な税額計算は税理士と連携して進めます。
まとめ
相続財産調査は、預貯金・不動産・株式・負債の4方向から、証明書と開示請求で全体像をつかむ作業です。相続放棄の3か月、相続税申告の10か月という期限を意識し、早めに着手することが大切です。熊本市東区で「どこから手をつければいいか分からない」という方は、まず通帳と納税通知書を探すところから始めてみてください。相続登記や相続放棄の手続きについては、熊本市東区の相続登記の記事や相続放棄の判断基準の記事もあわせてご覧ください。
監修:弁護士・司法書士 西田幸広(この街の相続/熊本・八代)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事情に応じた判断は専門家へのご相談をおすすめします。相続・家族信託に関するご相談は、この街の相続(弁護士・司法書士 西田幸広)までお気軽にお問い合わせください。
