おひとりさまの相続対策は何をすべき?熊本・八代で備えたい4つの仕組み|熊本の家族信託、相続対策なら弁護士・司法書士へ相談|この街の相続|弁護士・司法書士 西田幸広

おひとりさまの相続対策は何をすべき?熊本・八代で備えたい4つの仕組み

おひとりさまが元気なうちに備える4つの仕組み(遺言書・任意後見契約・家族信託・死後事務委任契約)を並べた図解

配偶者や子どもがいない、いわゆる「おひとりさま」の方から、「自分が亡くなったら財産はどうなるのか」「認知症になったら誰が手続きをしてくれるのか」というご相談を受けることが増えています。結論から申し上げると、おひとりさまの相続対策で必要なのは「遺言書」「任意後見契約」「家族信託」「死後事務委任契約」という役割の違う4つの仕組みを、必要な分だけ組み合わせておくことです。どれか1つでは、判断能力が下がってから亡くなった後までを切れ目なくカバーできません。

おひとりさまの相続対策で最初に押さえるべきこと

まず知っておきたいのが、相続人が一人もいない場合、財産は最終的に国庫(国のもの)に入るという点です。相続人がいなければ、家庭裁判所が選んだ相続財産清算人が債務を整理し、特別縁故者(生前特にお世話になった人など)への分与を経て、残りが国に帰属します。

また、兄弟姉妹や甥姪が相続人になるケースもよくあります。この場合「疎遠な親族に全部渡ってしまう」「甥姪が何人もいて話がまとまらない」という事態が起こりがちです。お世話になった方や特定の団体に財産を渡したいなら、遺言書がなければ実現できません。ここがおひとりさまの相続対策の出発点です。

生前の備え:任意後見契約と家族信託の使い分け

もう一つの不安が「認知症などで判断能力が下がったら誰が支えてくれるのか」です。ご家族が近くにいれば自然に動いてくれることも、おひとりさまでは自動的には起こりません。

任意後見契約は、判断能力があるうちに「将来この人に支援してほしい」と自分で決めておく契約です。公正証書(公証役場で公証人が作る正式な書面)で作成し、実際に判断能力が下がった段階で家庭裁判所が任意後見監督人を選任して効力が始まります。生活や療養に関わる契約、財産の管理といった幅広い場面をカバーできるのが強みです。

家族信託は、自宅や預貯金の管理そのものを、甥姪など信頼できる方に託しておく仕組みです。判断能力が下がると預金が実質的に凍結されたり、自宅の売却ができなくなったりしますが、あらかじめ信託しておけば、受託者(管理を任された人)が施設費の支払いや不動産の売却を進められます。任せられる相手がいるかどうかが分かれ目になるため、託せる方がいない場合は任意後見を軸に組み立てるのが現実的です。

見落とされやすい「死後事務委任契約」

意外と知られていないのが、遺言書では葬儀や納骨、賃貸住宅の解約、公共料金やスマートフォンの解約といった亡くなった直後の事務手続きを頼むことはできないという点です。遺言はあくまで財産の行き先などを定めるもので、実際に動く人がいなければ手続きは止まってしまいます。

そこで使うのが死後事務委任契約です。誰に、何を、どこまで頼むのか(葬儀の形式、納骨先、遺品整理の範囲、費用の出どころなど)を生前に決めて契約しておきます。ご家族がいる方なら自然に担ってもらえる部分を、契約という形で残しておくイメージです。おひとりさまの場合、この契約の有無で、身近な方の負担が大きく変わります。

熊本・八代で準備を進めるときの流れ

熊本市や八代市で準備を始める場合、おおまかな流れは次のとおりです。まず財産の棚卸し(不動産、預貯金、保険、負債)を行い、次に「誰に頼めるか」を整理します。甥姪、いとこ、友人、専門家など、任意後見の受任者や信託の受託者、死後事務の受任者を誰にするかで、選べる手段が変わってくるためです。

その上で、財産の行き先は遺言書、判断能力低下後は任意後見か家族信託、亡くなった後の実務は死後事務委任契約、と役割ごとに書面を用意します。遺言書は自筆証書遺言を法務局で保管する制度も使えますが、内容の確実性を重視するなら公正証書遺言が安心です。熊本市内・八代市内には公証役場があり、体調により出張してもらえる場合もあります。

なお、これらは一度にすべて作らなければならないものではありません。優先順位が高いのは、多くの場合まず遺言書です。そこから、ご自身の年齢や健康状態、頼める方の有無に応じて、順に追加していく進め方で問題ありません。

まとめ

おひとりさまの相続対策は、「財産の行き先(遺言書)」「判断能力が下がった後の支援(任意後見契約)」「財産の管理と活用(家族信託)」「亡くなった直後の実務(死後事務委任契約)」の4つを、切れ目なくつなぐ発想で考えるのが基本です。相続人がいなければ財産は国庫へ、頼む人を決めていなければ葬儀や解約の手続きも滞ります。逆にいえば、元気なうちに書面を整えておけば、そのほとんどは避けられます。まずは財産の棚卸しと「誰に頼めるか」の整理から始めてみてください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事情に応じた判断は専門家へのご相談をおすすめします。相続・家族信託に関するご相談は、この街の相続(弁護士・司法書士 西田幸広)までお気軽にお問い合わせください。

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