相続登記に必要な戸籍はどう集める?熊本市・八代市で本籍が遠方にあるときの手順|熊本の家族信託、相続対策なら弁護士・司法書士へ相談|この街の相続|弁護士・司法書士 西田幸広

相続登記に必要な戸籍はどう集める?熊本市・八代市で本籍が遠方にあるときの手順

相続登記に必要な戸籍の集め方と、戸籍の広域交付で取れるもの・取れないものを整理した図

相続登記の手続きでいちばん時間がかかるのが、戸籍集めです。「必要書類は分かったけれど、本籍が県外にあって取り寄せが大変」というご相談を、熊本市や八代市の方からよくいただきます。ここでは、相続登記でどの戸籍が必要になるのか、そして2024年3月に始まった「戸籍の広域交付」をどう使えば手間を減らせるのかを整理します。

相続登記に必要な戸籍は「出生から死亡まで」そろって初めて足りる

相続登記で法務局に出す戸籍は、大きく3種類です。

1つ目は、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸籍です。最後の戸籍だけでは足りません。結婚や転籍のたびに戸籍は作り直されるため、現在の戸籍謄本から一つずつさかのぼり、除籍謄本(その戸籍の全員が抜けた戸籍)や改製原戸籍(法改正前の古い様式の戸籍)まで集めます。これは「ほかに子どもがいないこと」を法務局に示すための資料で、転籍が多い方だと5通、6通になることも珍しくありません。

2つ目は、相続人全員の現在の戸籍謄本です。亡くなった日より後に取得したものが必要で、相続開始時点で生きていることを示します。

3つ目は住所をつなぐ書類で、被相続人の住民票の除票(本籍の記載入り)と、不動産を取得する相続人の住民票です。戸籍には住所が書かれていないため、戸籍上の人物と登記簿上の所有者が同一人であることを、この書類でつなぎます。あわせて、その年度の固定資産評価証明書も必要になります。

戸籍の広域交付なら熊本市の区役所で全国の戸籍がまとめて取れる

2024年3月1日から、戸籍の広域交付という制度が始まりました。それまでは本籍地の市区町村ごとに郵送で請求するしかなく、遠方の戸籍がそろうまでに1〜2か月かかることもありました。

広域交付を使えば、本籍地がどこであっても、最寄りの市区町村の窓口で全国の戸籍をまとめて請求できます。熊本市であればお住まいの区の区役所(中央区・東区・西区・南区・北区)、八代市であれば市役所の窓口です。父母が北海道や東北で生まれた、というケースでも、その場で一括して請求できるようになりました。

請求できるのは、本人・配偶者・父母や祖父母(直系尊属)・子や孫(直系卑属)の戸籍です。親の相続で子が戸籍を集める場面は、まさにこの範囲に入ります。

広域交付では取れない戸籍と、その場合の請求方法

便利な制度ですが、次のものは対象外です。相続登記の準備では、ここが実務上のつまずきどころになります。

郵送請求と代理人による請求はできません。本人が窓口へ行き、運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きの本人確認書類を提示する必要があります。専門家に依頼した場合でも、専門家が広域交付で取ることはできないため、従来どおり本籍地へ請求することになります。

兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍も対象外です。子どもがおらず兄弟姉妹が相続人になるケースでは、広域交付だけでは戸籍がそろいません。

また、戸籍の附票(住所の履歴が分かる書類)や一部事項証明書、コンピュータ化されていない古い戸籍も広域交付では出ません。これらは本籍地の市区町村へ、窓口または郵送で請求します。郵送の場合は、請求書・本人確認書類の写し・定額小為替・返信用封筒を同封するのが一般的です。

熊本市・八代市で戸籍を集めるときの実務上の注意点

広域交付は、その場で数十通を出力する作業になるため、即日交付されず後日受け取りになることがあります。窓口の混雑状況によっては1〜2週間かかる場合もあるので、余裕をもって動くことをおすすめします。

古い戸籍が保存期間の経過や戦災で廃棄されており、どうしても取得できないことがあります。その場合は市区町村から「廃棄済証明書」などを発行してもらい、相続人全員の上申書とあわせて法務局へ提出する扱いになることがあります。

戸籍がそろったら、法務局で法定相続情報一覧図の交付を受けておくと便利です。戸籍一式を一度提出すれば、相続関係を1枚にまとめた証明書を無料で何通でも受け取れ、その後の預貯金の解約や証券口座の手続きにも使えます。熊本市の不動産であれば熊本地方法務局、八代市であれば八代支局が窓口です。

なお、相続登記は2024年4月1日から義務化され、相続を知った日から3年以内に申請しなければ、正当な理由なく怠った場合に過料の対象となります。戸籍集めは早めに着手しておくと安心です。

まとめ

相続登記に必要な戸籍は、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍、相続人全員の現在戸籍、住所をつなぐ住民票の3本柱です。2024年3月に始まった広域交付を使えば、熊本市や八代市の窓口で全国の戸籍をまとめて請求でき、遠方の本籍があっても手間は大きく減りました。ただし、郵送・代理人請求ができないこと、兄弟姉妹の戸籍や戸籍の附票は対象外であることには注意が必要です。相続人の範囲や古い戸籍の欠落など、判断に迷う点が出てきたときは、早めに専門家へご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事情に応じた判断は専門家へのご相談をおすすめします。相続・家族信託に関するご相談は、この街の相続(弁護士・司法書士 西田幸広)までお気軽にお問い合わせください。

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