家族信託の契約書を公正証書で作成すべき3つの理由

家族信託を始めるとき、その土台となるのが「信託契約書」です。契約書は当事者間で作成した私文書でも法律上は有効ですが、実務では公証役場で「公正証書」として作成することが強くおすすめされます。本記事では、その理由を3つの観点から解説します。
1. 契約の有効性をめぐるトラブルを防げる
公正証書は、法律の専門家である公証人が本人の意思や判断能力を確認したうえで作成します。そのため後日、相続人などから「本人は認知症で判断能力がなかったのではないか」「無理やり書かされたのではないか」といった主張が出ても、契約の有効性を争われにくくなります。長期にわたって効力を持つ家族信託だからこそ、入口での確実性が重要です。
2. 金融機関で信託口口座を開設しやすい
家族信託では、受託者が信託財産を管理するための「信託口口座(しんたくぐちこうざ)」を金融機関に開設するのが一般的です。多くの金融機関は、この口座開設の条件として信託契約書が公正証書であることを求めています。私文書のままでは口座開設を断られるケースもあるため、実務上は公正証書化がほぼ必須といえます。
3. 原本が公証役場に保管され、紛失・改ざんを防げる
公正証書の原本は公証役場に保管されます。手元の正本や謄本を紛失しても再発行が可能で、第三者による改ざんの心配もありません。数十年単位で続くこともある家族信託において、契約書が確実に残ることは大きな安心につながります。
まとめ
公正証書での作成には手数料がかかりますが、「有効性の担保」「信託口口座の開設」「原本の安全な保管」という3つのメリットは、その費用を十分に上回るものです。家族信託を検討される際は、当初から公正証書での作成を前提に準備を進めることをおすすめします。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事情に応じた判断は専門家へのご相談をおすすめします。相続・家族信託に関するご相談は、この街の相続(弁護士・司法書士 西田幸広)までお気軽にお問い合わせください。
