家族信託を自分でやるといくら?費用を抑える方法と専門家に依頼すべきケース

「家族信託に興味はあるけれど、専門家に頼むと費用が高そう。自分でできないの?」——そう考えて費用を調べている方は少なくありません。結論から言うと、家族信託は自分で手続きすること自体は可能で、その場合は専門家への報酬をかけずに済みます。ただし、設計を誤ると無効になったり、余計な税金や手間がかかったりするリスクもあります。この記事では、家族信託を自分でやる場合にかかる費用と、専門家に依頼すべきケースを整理します。
家族信託を自分でやる場合にかかる費用
まず押さえておきたいのは、「自分でやれば完全に無料になる」わけではないという点です。専門家への報酬はかかりませんが、次のような実費はどちらの場合でも発生します。
・公正証書の作成手数料…信託契約書は公正証書で作るのが実務上ほぼ必須で、公証役場に数万円程度の手数料を支払います。
・登録免許税・登記費用…信託財産に不動産が含まれる場合、名義を受託者(財産を預かり管理する人)へ移す信託登記が必要で、固定資産税評価額に応じた登録免許税がかかります。
・その他の実費…戸籍や登記事項証明書などの取得費用です。
これらを自分で手配すれば、専門家報酬(一般的に信託財産の額や内容に応じて30〜80万円ほど)を節約できる、というのが「自分でやる」最大のメリットです。上の比較表もあわせてご覧ください。
自分でやる場合に注意したいリスク
費用を抑えられる一方で、家族信託を自分で組成することには次のような落とし穴があります。
・契約条項の不備…家族信託は自由度が高い分、条項の作り方次第で意図した効果が得られなかったり、一部が無効と判断されたりすることがあります。
・想定外の課税…信託の設計は贈与税・相続税・所得税などと密接に関わります。税務の視点が抜けると、思わぬ課税を招くことがあります。
・信託口口座を開設できない…金融機関によっては、専門家が関与した契約書でないと信託専用口座(信託口口座)の開設に応じないところもあります。
家族信託は一度作れば数十年にわたって続く契約です。作り直しになると、かえって費用と時間がかかってしまう点に注意が必要です。
費用を抑えつつ失敗しないための考え方
「費用は抑えたいが、失敗もしたくない」という方には、全部を自分で抱え込むのではなく、設計や契約書のチェックだけ専門家に相談するという中間的な進め方もあります。財産の内容がシンプルで金額も大きくない場合は自分で進めやすい一方、不動産や自社株が含まれる、家族の関係が複雑、税金の影響が大きいといったケースでは、専門家のチェックを受けたほうが結果的に安く済むことが多いといえます。まずは見積もりを取り、報酬に見合う安心が得られるかで判断するとよいでしょう。
まとめ
家族信託を自分でやれば専門家報酬は不要ですが、公正証書手数料や登記費用などの実費はかかり、設計を誤ると無効や余計な課税につながるリスクがあります。財産や家族関係が複雑な場合ほど、専門家に依頼または相談する価値が高くなります。費用と安心のバランスを見ながら、ご自身に合った進め方を選びましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事情に応じた判断は専門家へのご相談をおすすめします。相続・家族信託に関するご相談は、この街の相続(弁護士・司法書士 西田幸広)までお気軽にお問い合わせください。
