家族信託の費用は毎年かかる?ランニングコストの内訳と抑え方|熊本の家族信託、相続対策なら弁護士・司法書士へ相談|この街の相続|弁護士・司法書士 西田幸広

家族信託の費用は毎年かかる?ランニングコストの内訳と抑え方

家族信託の初期費用と毎年かかるランニングコストの比較図

家族信託を検討していると「一度契約したら、毎年ずっとお金がかかり続けるのでは?」という不安を持たれる方が少なくありません。結論からお伝えすると、家族信託の費用の大部分は契約をつくるときの一時費用で、毎年かかる費用は「かかる場合とほとんどかからない場合」に分かれます。どちらになるかは、契約の設計しだいです。ここでは毎年発生しうる費用の中身と、負担を軽くする考え方を整理します。

家族信託の費用は毎年かかる?まず「一時費用」と「毎年の費用」を分ける

家族信託の費用は、大きく次の2つに分かれます。

①最初だけかかる一時費用……専門家へのコンサルティング・契約書作成の報酬(財産額や不動産の数によりますが30万〜80万円程度が一つの目安)、公正証書にする際の公証役場の手数料(3万〜10万円程度)、不動産を信託する場合の信託登記にかかる登録免許税(固定資産税評価額の0.3〜0.4%)と司法書士報酬などです。

②信託が続くかぎり毎年かかる費用……信託監督人など専門家を置いた場合の報酬、信託口座(信託専用の口座)の維持・管理料、税務書類の作成費用などです。

つまり「毎年かかるか」は、②をどれだけ組み込むかで決まります。家族だけで受託者(財産を預かって管理する人)と受益者(利益を受ける人)を完結させ、専門家を常時関与させない設計であれば、毎年の実費はほぼゼロに近い形も十分に可能です。

毎年かかるランニングコストの内訳

信託監督人・受益者代理人への報酬……受託者がきちんと財産を管理しているかを見守る立場の人を置くことができます。専門家に依頼すると月0.5万〜3万円程度が目安で、年間では6万〜36万円程度になります。受託者が一人で財産を抱える不安を減らせる一方、継続的な費用が生じます。

信託口座の維持・管理料……金融機関によっては、信託専用口座の開設に一時金がかかったり、年間の管理料が設定されていたりします。無料の金融機関もあるため、口座をどこで開くかは費用面でも重要です。

税務関係の費用……信託財産から年間3万円以上の収入(賃貸不動産の家賃など)がある場合、受託者は毎年「信託の計算書」等を税務署へ提出する必要があります。また受託者には帳簿の作成・保存や、受益者への報告の義務もあります。ご自身で対応すれば費用はかかりませんが、税理士等に依頼すれば年数万円程度が見込まれます。

なお、信託した不動産の固定資産税は、信託後は受託者あてに請求されます。これは信託の費用というより、信託しなくても発生する税金が請求先だけ変わるものです。

毎年の費用を抑える3つのポイント

1. 見守りの体制を目的に合わせて選ぶ……信託監督人を常時置くのが必須というわけではありません。受託者候補が信頼でき、他の家族の理解も得られているなら、監督人は置かず、必要なときだけ専門家に相談する形にすれば年間費用を大きく抑えられます。

2. 信託する財産を目的に必要な範囲に絞る……「認知症になっても自宅を売却できるようにしたい」「アパートの管理を息子に任せたい」といった目的から逆算し、対象財産を絞れば、管理の手間も税務の手間も軽くなります。すべての財産を信託する必要はありません。

3. 記録の方法を最初に決めておく……信託専用口座を用意して個人のお金と混ざらないようにし、収支をエクセル等で簡単に記録する運用を最初に決めておけば、毎年の帳簿・報告の負担はぐっと軽くなります。設計段階で専門家に運用ルールまで作ってもらうことが、結果的に毎年のコスト削減につながります。

まとめ

家族信託の費用は「毎年ずっと高額がかかり続けるもの」ではなく、大半は契約時の一時費用です。毎年かかるのは、信託監督人などの報酬・信託口座の管理料・税務書類の作成費用といった項目で、いずれも契約の設計と体制の選び方によって調整できます。心配なのは費用の総額そのものよりも、「何にいくらかかるのかを知らないまま始めてしまうこと」です。契約前に、初期費用と毎年の費用の見通しを書面で示してもらい、家族全員が納得したうえでスタートしましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事情に応じた判断は専門家へのご相談をおすすめします。相続・家族信託に関するご相談は、この街の相続(弁護士・司法書士 西田幸広)までお気軽にお問い合わせください。

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